緑の供養祭

〜生命への感謝〜

観葉植物や草花のレンタル・販売を手がける会社では、「緑(み=3)」と「供養(く=9)」の語呂合わせにちなみ、毎年「緑の供養祭」を開催しています。この祭りには、植物への感謝の気持ちが込められています。

年間で数百鉢もの植物が処分されるという現実があります。人と同じく命を持つ植物を、ただ廃棄するのではなく、感謝と供養の想いを込めて送り出したい。そんな願いから生まれたのが「緑の供養祭」です。

雷に打たれ続けた大杉の木

子供の頃、学校の裏山に大きな杉の木がありました。その木のそばには、小さな祠(ほこら)が建てられていました。

この杉の木には、なぜか何度も雷が落ちていました。そのせいか、不思議な形をしていました。それでも、その木はしっかりと生きていました。

誰がいつ建てたのか分からない祠。それは、この杉の木に対するものだったのでしょうか。昔は何も考えず、ただの遊び場として親しんでいましたが、今振り返ると、その木には何か特別な力が宿っていたのかもしれません。

雷が落ち続けることで、村や学校が守られていたのかもしれない。それでも生き続ける杉の木。その生命力に、神秘的なエネルギーを感じていました。

失われていくシンボルの木

いつだったか、その杉の木がついに雷で倒れてしまったと聞きました。その後、雷は昔の学校の校庭にあった大きな柏の木へと落ち、今度は柏の木が駄目になってしまいました。

雷は大きな木に落ちやすいと言いますが、なぜ同じ木に何度も落ちるのでしょう。そして、雷が落ち続けた木がなくなったら、その地域はどうなるのでしょうか。

もしかすると、雷の多い地域だったのかもしれません。それとも、そこにあった木々が特別な存在だったのか……。

いずれにせよ、子供の頃に慣れ親しんだシンボルの木が次々と失われていくのは寂しいものです。

「ありがとう」の祈りを込めて

私たちが気に留めることなく、日常の中に当たり前のように存在していた木々。それらがなくなって初めて、その大切さに気づきます。

子供の頃の遊び場だった杉の木。そして校庭の柏の木。

「ありがとう」

ただそれだけの言葉ですが、今、その木々に心を込めて祈りたいと思います。